現代に帰還した転生魔導師「アキト・セラフィム」10年前の卒業式で忽然と消えた青年・暁人、そのまま東京に帰還──莫大な財産と魔法の才を携え、戦火のウクライナから国家の陰謀まで一刀両断する“現代の勇者”の覚醒譚

大学卒業式当日の2015年3月25日、平凡な大学生・暁人(あきと)は、何の前触れもなく式場から忽然と姿を消した。だが10年後、同じ卒業式のスーツ姿のまま東京・渋谷のスクランブル交差点に現れる。その瞬間、世界は静寂に包まれ、周囲の人々は彼の“時を超えた帰還”に言葉を失った。

帰還した暁人は、自身の銀行口座にかつて異世界で築いた莫大な財産が円預金として引き継がれていることを知る。数百万、数千万……いや、数十億に及ぶその金額は、何もしなくても一生遊んで暮らせるほどの膨大な額だった。一方、異世界で培った魔力も健在で、試しに街灯の光を手で操る小さな魔術を行ったところ、静かに光が揺らいで人々を驚かせる。

だが、暁人の胸には深い寂寥が広がっていた。安全で豊かな平和利権の渦中にある現代日本人の“平和ボケ”とも言える無関心さは、かつて血と死を繰り返した戦場で鍛えられた彼には耐え難いものだった。過去の断片を辿るように、彼は回想する──転生直後、無数の魔術を習得し、自ら新たな魔法を生み出す天才魔導師「アキト・セラフィム」として名を馳せ、数々の悪魔討伐を果たした日々を。

しかし、最後の大戦で彼を最も嫉んだ同胞の勇者に夜襲を受け、致命傷を負った暁人は、意識が遠のく中でわずかな希望を紡ぎ──そして再び現実の世界へと転生を果たしたのだった。

目的を見失い彷徨う日々の中、テレビで流れたのは「ロシアによるウクライナ侵攻開始」の一報。異世界での戦乱を思い起こした暁人は、自らの魔力と財力をもってこの紛争を終結させられないかと決意し、現地へと向かう。到着した紛争地帯は想像を絶する惨状で、傷つき、疲弊した人々の悲鳴が空を切り裂いていた。

彼はまず、魔術による防壁で市街地への砲撃を防ぎ、被災者への支援物資と医療を魔法で迅速に輸送。その行動は「冷酷なる魔導師か?」と恐れられつつも、同時に“仁慈の魔導師”として賞賛の声を呼ぶ。やがてその噂は日本政府にも届き、内閣調査室からの招聘が舞い込む。最初は固辞する暁人だったが、幾度目かの正式要請を前に、自分の力こそが人々を救える唯一の手段だと悟り、ついに受諾を決意する。

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現代に帰還した転生魔導師「アキト・セラフィム」

以降、彼の下にはアメリカやEUなど各国からも要請が殺到し、かつての異世界での英雄譚は“現代の勇者アキト・セラフィム”として世界中に知れ渡る。だがその名声の裏には、国家権力やメディアによる監視と政治利用の危険が潜む。莫大な財産と並外れた魔力を使う彼が、果たして真に守るべき人々と信頼を築けるのか――新たな戦いは、リアルな国際情勢の渦中で、今まさに幕を開ける。

グレイト

Posted by 世界の動画